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「小鹿田焼」を訪ねる
ために、まるで絵本のページをめくるように一軒一軒が順番に目線の位置に現れるので楽しい。道すがらはずっと清流の心地よい BGM が流れる。なつかしい空気に包まれ、時間は知らず知らずにタイムスリップしてゆくのだ。清流をのぞき込むと魚影がどのポイントからも見て取れた。 「小鹿田焼」は電気を使わずに粘度を粉砕し、電気を使わずに生成し、電気を使わずにロクロを回し(足で蹴るロクロ)、薪の窯で焼く。買い物をしてもどの店も決して包装紙は使わず古新聞で包むだけ。焼き物は至ってシンプルゆえに時代を超えて生活にフィットする。そして安い!申し訳ないほど安い! わたしは思わずつぶやいた。「ここって、世界遺産ちゃう?」こんなとこ少なくとも日本にはもう無いで。変に観光化されてない、この日もたった一件の「そば屋」が休みで昼食はおあずけとなった。ガラス越しにその店をのぞくと「鮎の塩焼き」なんてのもあって、「ああ・・これを肴にビールを飲んでから蕎をすするなんて最高だったのに・・・」誠に残念だった。 「写真」は清流を利用して巨大な掛樋を動かす仕組み(シシ脅しの原理)。下の写真で示す通り、小屋の中では大きな杵がゆったりと原土を粉砕している。各陶房ごとにこの装置を有している。 清流の力で動く巨大「獅子脅し」 杵が一番上まで上がると人の背丈を超える。軋む音は「ウ〜ンギギギ、ドッスン」これを三本が気まぐれに行う。まるで生き物のよう・・・ ここを訪れた人は、まずこのパフォーマンスに魂を揺さぶられるのだ。(電動式のスタンプミルという機械に相当する。) 杵で突いて細かくなった粘土粉は水に溶かして「水ひ」(沈殿を繰り返し粘土の粒子を揃える)を行う。工業的にはフィルターを通して漉すのだが、ここではそんな無粋なことはやらない。粘土粒子の浮力の差とお日様の力だけで行う。昼時にお邪魔したため陶工は昼休み・・店番に聞けば、皆さんのんびりしてるから2時間くらいしないと作業は始まらないとか。 成形ならびに文様付けの終わった製品は天日に干す。粘土は黄色い、これはいわゆる黄土であり鉄分を多く含む。焼き上がりの土の色は濃い褐色となる。それを利用して、白い化粧土で皮膜をつくり少し水が引いたところで、飛び鉋と呼ばれる道具で細かい傷をつける。あるいは刷毛の強弱で模様をつける。すると下地の褐色と化粧土の白はコントラストをもって、リズミカルなパターンが生まれる訳だ。物に依ってはさらに緑と飴色の釉薬をアクセントに使う。 これが「小鹿田焼」の伝統的技法だが、直ぐ近くの「小石原焼」もほぼ同じ技法を持つ。 陶房とショップが一緒になっており、仕事中も一声掛ければ大抵は見せてもらえる。ショップには所狭しと製品が列ぶ、数が足らなければ申し出ると大抵はストックを持っている。特殊なもの以外はある程度規格をつくって在庫しているのだ。私も「そば猪口」の数が足らず出してもらった。少しずつ焼きや文様が違うので選ぶのも楽しみだ。 自慢の清流を自在に引き込んで様々に利用している。ここでは真鯉(50cm以上)を飼っていた。池の真ん中にユーモラスな焼き物製のカエルが座っている。水はあくまでも透明で、この薄暗い木陰でも黒っぽい真鯉が十数匹泳いでいるのがはっきり判った。 この日の買い物 ふたもの と言うのも左の黒っぽいのは赤穂骨董市で買ったもの、「小鹿田焼」の古いもので今回資料館で観た中にこうした釉薬のものが確かにあった。ひょっとしたらお宝?真ん中の可愛いのは5年ほど以前に訪ねた時に買ったもの、そして右が今回の買い物です。こう観るとなかなか雰囲気のある焼き物ではありませんか。 そば猪口 帯を締めたように「飛び鉋」による伝統文様があしらわれており、モダンな空間にも合いそうで気に入った。店の陳列棚には二つしかなく、ストックを尋ねるとみかん箱一杯くらい持って来てくれた。確か、一個800円程だったと思う。 ビヤマグ 350mℓのビール缶でマグ二杯分が注げるくらいの小さめのビアマグ。最近アルコール控えめの私には丁度良い。湯のみにも使えるサイズで、全面に細かい「飛び鉋」が入っている。「そば猪口」と比べると飛び鉋文様の細かさが判る。 しゃもじ入れ これは「飛び鉋」に削りの「線」と「串目」を入れている。パターンサンプルに買ってみた。 花器 ストレートでけれん味のない形が気に入った。生けてある植物はカミサンの作で、「花ぬかススキ」という雑草のドライフラワーだ。花屋にはない花、誰もが無視して「雑草」と片付けてしまっている植物の中にも美しいものが存在するのだ。我が家にはこれが六畳の間ほどのスペースを埋め尽くしている。家の中に枯れ野が広がってる?この花器は今年91才になる母への誕生日プレゼントにと買ったもの。 余談 わたしの持っている貝殻にこんなものがありました。どうみても海の「小鹿田焼」。 自然にはいつも負けそうになる。小鹿田焼の人たちはこの貝を知っているのだろうか? さらなる余談 今回の旅のお供は「ゾルキー3」レンズは「インダスター22」と他にレンズ2本「ジュピター8」「ニコンピカイチ改良レンズ」でした。 トラディショナルな民芸窯にクラシックカメラ、きっとよく似合っていたと思うが、だれも何も言ってはくれなかった。趣味とは時に孤独なものだ。 ハイ・・
by nobrin-7
| 2009-08-30 08:00
| 紀行ノート
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